|  | よう! | 
|  | 何よあんた。気安く他人に声かけないで | 
|  | つれないねぇ。 美人にしか声はかけない主義なんだが…… | 
|  | 誘うなら他の人にしなさい。 私と居ると怪我するわよ | 
|  | ほほぅ、鬼気迫るねぇ。結構好きだぜ、そういうの | 
|  | 馬鹿にするのもいい加減にしなさい。 わたしにはやるべきことがあるの。もう行くわよ | 
|  | へぇ、何処に行こうってんだい? | 
|  | 『干渉』の発生源 貴方も聞いたことくらいはあるんじゃない? | 
|  | ……なるほど、志願者の一人ってわけかい? | 
|  | そういうことよ | 
|  | 奇遇だねぇ。俺もなんだよ | 
|  | ……へぇ。じゃあ、尚更相手にはしていられないわ。 悪いけど…… | 
|  | 力ずくでかい?いいねぇ。 俺もそう思ってたところさ | 
|  | ……行くわよ! | 
|  | いてて…… | 
|  | 手加減してあげたんだから感謝しなさい。 …それとも、まだやる? | 
|  | いやいや、遠慮しとくよ。俺はもう諦めたさ | 
|  | なっ!!何よそれ!あんたそれでも男!? | 
|  | おぉやおや。何怒ってんのさ | 
|  | 当たり前よ! そんな簡単な気持ちで挑もうとしてたの!?馬鹿!? | 
|  | 言うね……君はどうなんだい? | 
|  | わたしは……確かめるためよ。 目指すものが正しいかどうかを | 
|  | ……ははっ!あははははは | 
|  | な、何がおかしい!! | 
|  | 目指すもの?正しい? お嬢さん、それはあんたが決めることだろう? この事件に挑む理由にはならない | 
|  | な、何…… | 
|  | 俺のこと散々罵倒しててそれか。 結局何がしたいんだか…… | 
|  | うるさい!何よあんた!わかったような口聞いて! | 
|  | さぁてね。俺は言いたいことを言ったまでさ。 | 
|  | っく…… | 
|  | じゃ、負け犬は退散いたします。 それじゃな | 
|  | あっ!こ、こら! | 
|  | な、何よあいつ!…… | 
|  | 目指すもの……父さん…… それが正しいかは、父さんの上り詰めた世界じゃないとわからない…… だから行くのよ。間違ってなんかないわ…… | 
|  | あ…あの……ちょっと聞きたいことが… | 
|  | な、何あんた!裏!? | 
|  | !!……ち、違うよ! | 
|  | じゃあ……何よ。 人間じゃないのは確かじゃない!! | 
|  | そ、それは…… | 
|  | もしかして……いえ、いいわ。 貴方、ひょっとして干渉と関係あるの? | 
|  | し、知らない……ボクも、その事調べてるんだから | 
|  | そう…じゃあ目的は同じね | 
|  | え?お姉さんも?そ、それじゃあ一緒に…… | 
|  | 悪いけど、誰とも組む気はないわ。 特にあんたみたいな格好のヤツとはね | 
|  | そんな…… | 
|  | 裏なら…容赦しないわ。 さぁ、貴方が裏でない証拠を見せて頂戴! | 
|  | ちょっと! | 
|  | うわあ!! | 
|  | ……おかしい ……貴方、本当に"裏"じゃないの? | 
|  | ち、違うよ…… でも…ボクは……わからない…… | 
|  | …… | 
|  | ずっと気になってたんだ…… ボクって何なのか…… | 
|  | だから、答えを探して来たんだよ…… | 
|  | そう……じゃあ、もう帰りなさい | 
|  | え? | 
|  | 世の中にはわたしよりもっと強い人だっているわ。 わたしに負けるくらいなら、この先へは行かない方がいい。 | 
|  | で、でも…… | 
|  | それにさ、自分が何だとか、 そういうのは……君が決めることじゃないの? | 
|  | それとも、確かめないといけないの? | 
|  | お兄ちゃんが……いるんだ。 | 
|  | お兄ちゃんは『普通』の人で、 ずっと……ずっと、護ってくれてた | 
|  | でも…… ボクはお兄ちゃんとは違う『モノ』だから…… | 
|  | ……ずっと……寂しくて…… | 
|  | …… | 
|  | ……ずっと、一緒だったの? | 
|  | ……うん | 
|  | 不安な気持ちは分かるわ。 でも、一緒にいてくれる人ならそんなこと気にしてないわよ。 | 
|  | ちゃんと、貴方のことはわかってくれてるはずよ | 
|  | !! | 
|  | まずはそのこと、話してみたらどう? そうすればもっとお兄さんと近くに居られるわよ | 
|  | ……うん | 
|  | ……あ、あの……ありがとう…… | 
|  | どういたしまして。それじゃ、気をつけてね | 
|  | うん! | 
|  | あ、ねぇ! | 
|  | ん? | 
|  | また……会える? | 
|  | そうね……また、いつかね | 
|  | 自分のこと……か | 
|  | (あの子にはああ言ったけど…… わたし自身、どうなんだろう……) | 
|  | (綺麗事ばかり言ってる気がする…… わたしこと、もっと自分をしっかり持たないと駄目なのかも) | 
|  | (でも……) | 
|  | !!……あれは……"裏"!? | 
|  | 間違いない……今度こそ…… | 
|  | …… | 
|  | 待ちなさい! | 
|  | ……何? | 
|  | "裏"……まさか……まだ生きてたとはね! | 
|  | …… | 
|  | 他に仲間はいないようね。一体何しに来たの! | 
|  | 仲間…… 同じ姿をしたモノなら、2つ死んだ。 3つは、わからない | 
|  | 何をわけの分からない…… とにかく、あなたを生かしてはおけないわ! | 
|  | ……何をするの? | 
|  | どうしてなの?……何故、殺そうと…… | 
|  | 貴方達が許せないからよ! | 
|  | わからない……わたしが何かをしたの? | 
|  | 何をした!?ふざけないで! 貴方達のせいでどれだけの人が死んだと思ってるの! | 
|  | ……そう…… それがわたしを殺す理由? …そんなものが理由? | 
|  | き、キサマ…… | 
|  | ……どうしたの?殺さないの? ……わたしはもう、動けない…… | 
|  | ……貴方達らしい姿ね。 その無機質な顔、消してあげる | 
|  | ……そう | 
|  | 
|  | ……これで……いいのよね…… | 
|  | (父さんなら……) | 
|  | …… | 
|  | あなたも、この事件を追ってるの? | 
|  | ……そうだ | 
|  | そう、じゃあ問答無用ね | 
|  | お前は、何だ | 
|  | 目標は違うけど、あなたと同じよ。 | 
|  | 力だけ求めるのか…… お前みたいな奴には、先には行かせない。 | 
|  | 随分あしらわれたものね…… 求める先は……自分よ! | 
|  | …… | 
|  | なかなか……やるじゃない…… | 
|  | ああ……だが、俺の負けだ…… | 
|  | わたしも、生半可な気持ちじゃないの | 
|  | …… | 
|  | 別に人々のためとか、そういう綺麗事は言わないわ。 わたしは……わたしのために行くの | 
|  | ……そうか | 
|  | ……貴方は、どうなの? | 
|  | …… | 
|  | ……俺も、俺のため……だった | 
|  | …… | 
|  | ……俺は……単に俺の復讐のために目指してた…… 間違ってたかもしれないが…… | 
|  | ……止めるわけにはいかなかったんだ。 自分を、見失いそうだった…… | 
|  | ……そう | 
|  | ……だが、諦めた訳じゃないさ。 別の道を……探してみる。 | 
|  | 諦めは……もう、したくない…… それじゃあな | 
|  | ……ええ | 
|  | その衣装…… な、なんで国家隊まで出てくるのよ! | 
|  | あぁ!? テメェらみたいな馬鹿に任せておけるほど 国は甘くはねぇんだよ | 
|  | なんですって!? | 
|  | 死に際すら知らん野郎なんぞ通すわけにはいかねぇな。 さっさとここで果てろ! | 
|  | 言わせておけば…… だったらその考え、覆してやる! | 
|  | ぐぉあ! | 
|  | ふん!そんな武器持ってて勝てないの? あんたこそ任せられないわね | 
|  | ……ちっ | 
|  | だいたい国が動くにしても、アンタ…… 実働部隊ではかなり上なんでしょう?何故なの? | 
|  | 国の危機に動かず、いつ動くってんだ? | 
|  | だったらなんで志願者なんか募ったのよ | 
|  | 駒は多いほうが動きやすいだろう。 争いってなぁそんなもんだ | 
|  | "争い"?……どういうこと | 
|  | ……干渉の原因は何か知っているか? | 
|  | "空間の狭間"の暴走……でしょ? | 
|  | そうだ。だが、暴走を促す"引き金"がなければ干渉は発生しない。 "何か"が、"空間の狭間"に影響を与えていることになる | 
|  | その"何か"が人格を持っていたとしたら? | 
|  | …… | 
|  | 考えんでも分かるだろう。 "干渉"ってなもともと『存在』が変動して起こる現象だ。 もしそれが意図的に操ることが可能となれば…… | 
|  | 『存在』や『運命』すら手中になる | 
|  | それって……支配? | 
|  | ああ…… それが本当なら、この世界そのものが一人格の下に置かれる。 そんなことは絶対にさせん。 | 
|  | ……なるほどね | 
|  | さぁ、もういいだろう | 
|  | ……ありがとう | 
|  | …… | 
|  | 貴方、誰? | 
|  | ……帰りなさい | 
|  | まさか、貴方が"管理する者"? | 
|  | ……何も知らないのね。 なら、尚更。早く自分の場所へ戻りなさい | 
|  | "空間の狭間"が暴走してるってのに、 引き下がれるわけないでしょう! | 
|  | 確かに…… 今のままでは貴方たち『ヒト』が危機のようね…… | 
|  | その考えが…… 12年前の事件を起こしたというのに…… | 
|  | 一体、どれだけ同じ事を感じれば納得するのかしら。 "狭間"は貴方たちには渡さない | 
|  | ヒトのためとか……そういうのじゃない | 
|  | わたしは道を進んでいるだけよ! | 
|  | ……っく! | 
|  | 貴方、一体何者なのよ | 
|  | ガーディアン……"見護る者"よ | 
|  | "見護る者"? | 
|  | 生命ではないわ。存在なの。 ただ、少し"他と違う"だけ…… | 
|  | よく、わからないわ……何がしたかったの? | 
|  | 何も……何も"変わらない"ようにしたかったのよ。 運命を | 
|  | え? | 
|  | いずれは分かる……その時まで考えておく事ね | 
|  | ……何よ、それ。 | 
|  | …… | 
|  | とうとう見つけた | 
|  | え……? | 
|  | 貴方が"干渉"の原因ね? 悪いけど、止めに来たわ | 
|  | お、お姉さん……誰? | 
|  | 答える気はないわ。 貴方を……貴方という存在を超えるために来た者よ | 
|  | そんなこと、駄目だよ……お姉さん、死んじゃうよ…… | 
|  | 何? | 
|  | どうしてここに来たの?……ここは、何もないよ | 
|  | あなたの想うものや…… お父さんは、ここにはいないよ? | 
|  | ……どうして? | 
|  | その答えを探すためよ! | 
|  | あぅぅ!! | 
|  | これで、干渉は消える……これで…… | 
|  | ……違うよ…… | 
|  | え? | 
|  | わたし……知らないよ…… お姉さんのこと | 
|  | な、何言ってるのよ | 
|  | ……だって、ずっと…… ずっと何か探してるんだもん…… | 
|  | どうして……そんなに不安なの? | 
|  | う、うるさい!アンタに言われたくないわよ! | 
|  | だから違うって言ってるじゃない!! | 
|  | !! | 
|  | ヘンだよ……お姉さん…… わたしに答えを求めてるのに、それを拒絶するの? | 
|  | 何を…… | 
|  | ……わたしは……そんな…… | 
|  | 
|  | …… | 
|  | ちょっと…… | 
|  | (何よ!これでいいはずじゃない!) | 
|  | (干渉の発生はこれで消えたのよ!これで正しいのよ!) | 
|  | (なのに……なんで?) | 
|  | ……なんでよ。 | 
|  | どうして、こんな想い抱かなきゃならないのよ! | 
|  | 間違ってるの?わたしは…… | 
|  | 正しいことをしたのよ!? | 
|  | ねえ!どうしてなの! | 
|  | 父さん!! |