単なる尻拭いじゃねぇか。
| ったく、ひさびさに指令かと思ったら 単なる尻拭いじゃねぇか。 |
| まぁいいか。 手短な奴から行けば……っと、早速か |
| よう！ |
 | 何よあんた。 気安く他人に声かけないで |
| つれないねぇ。 美人にしか声はかけない主義なんだが…… |
| 誘うなら他の人にしなさい。 私と居ると怪我するわよ |
| ほほぅ、鬼気迫るねぇ。 結構好きだぜ、そういうの |
| 馬鹿にするのもいい加減にしなさい。 わたしにはやるべきことがあるの。もう行くわよ |
| へぇ、何処に行こうってんだい？ |
| 『干渉』の発生源、貴方も聞いたことくらいはあるんじゃない？ |
| ……なるほど、志願者の一人ってわけかい？ |
| そういうことよ |
| 奇遇だねぇ。俺もなんだよ |
| ……へぇ。 じゃあ、尚更相手にはしていられないわ。悪いけど…… |
| 力ずくでかい？いいねぇ。 俺もそう思ってたところさ |
| ……行くわよ！ |
| はい。終了〜 |
| くっ！馬鹿な！ |
| まぁ、強いのは認めるよ。普通にしたらね。 |
| ただ……相手が普通じゃなかったってこと。 自分の不運を感じるこったね |
| な…なに？ 何言ってるの？ |
| 理解なんざ求めてないさ。 わかんないまま死んだ方が楽だろう？ |
| なっ！ |
| ウォーミングアップがあんたみたいなのでよかったよ。 丁度いい。……というわけで、死ね。 |
| やっ、何……きゃあああ！！ |
 |
| こんだけ楽な命令ならよかったんだがなぁ…… "意思ある思念体"の回収か…… めんどくせぇなぁ |
| おい！そこのヤツ待て！ |
 | え？ボ、ボク？ |
| （こいつ……裏？） |
| な、何？ |
| お前……何者だ。裏か？ |
| う、裏って何だよ！ ボクはサウスって…… |
| 違うな……だが死んでもらうぜ。 命令なんでな |
| え…え！？ちょっと！ |
| う……うぅ…… |
| なんだこいつ……気味悪ぃな。 裏じゃねえし……なんか殺すには勿体無え |
| え？ |
| お前、何者なんだ？ |
| し……知らない…… |
| そうか…… じゃあ、さよならだ |
| え？あ…… |
|
| まだガキなのに残念だねぇ……ん？ |
| こいつ……この眼…… やべぇ！"殻"殺しちまった！くそっ！ |
| こんなとこに居たのか……ひっでぇ、あ〜、もう！ついてねーな俺。 これで結局"回収"しかなくなったじゃねぇか。面倒くせぇ |
| （ったく！イレイシュも人が悪いぜ！ "殻"がこっちの世界来てるなんて聞いてねえぞ、くそっ！） |
 | ずいぶんと物騒なもの持ってるな |
| ん？ |
| この辺りの争いはないはずだ。 何をしてる。 |
| 『干渉』を止めに行くんだよ。志願者の一人ってわけだ |
| ……嘘をつくな |
| ……へえ、わかるんだ。 |
| 何者だ。 |
| さぁてねぇ。ただ、他の者よりちょっとだけ利口なだけさ。 何も知らない兄さんよりはね |
| ……何を知っている |
| 兄さんには関係ないことだよ！ |
| 『干渉』か？ |
| まぁね |
| 答える気はないのか……悪いが、少し怪我をすることになるぞ |
| な、なかなかやるな兄さん…… |
| くそ…… |
| いや、マジですごいよ。関心した！ ……でも国家隊に居た頃の方が強かったんじゃない？ |
| なに！？ |
| 結構噂に聞くよ、今でも。 兄さんの腕凄かったらしいじゃない |
| 国の人間か……道理で…… |
| あ〜あ〜、動くなって。あんまり動くと血が足りなくなるぞ、おい |
| 待て…… |
| うるせぇなぁ。みっともないぜ、兄さん。少し眠っててくれ |
| ぐあ！！ |
|
| ……ったく。手間かけさせるんじゃねぇって |
| よう！ |
 | ……てめぇか |
| やっぱ来てたか。どう？そこ通してくれない？ |
| この際はっきり言っておく。俺は"お前ら"が好かん。さっさと消えろ |
| お、おいおいおい。いいじゃねえか。共に国の人間として仲良くしようぜ？ |
| いい加減にしやがれペテン野郎。その馬鹿げた面をさっさと消せって言ってんだ |
| あはっ！やっぱ駄目？ |
| …… |
| そんな怖い顔しないでさ。もっと楽しくいこうぜ？ |
| うるせぇ。この下衆が。人形のくせにえらそうな口きいてんじゃねぇ |
| 楽しいことしてるだけさ。……俺の人生は俺だけのものだしな。 |
| 殺すことしか考えてねぇ奴にもそんなことが言えるんだな。驚いたぜ |
| あんたとはいろいろ話したいけど、あんまり時間がないもんでね。そろそろいくぜ！ |
| ……くっ |
| エラそうな口利いてた割には意外と脆いな。腕、鈍った？ |
| あの頃と一緒にすんじゃねぇ…… |
| そうだな。１２年前のあんたの方が好きだったぜ。俺。 |
| ……黙れ。 |
| 衰えたな。隊長さんよ |
| ……ちっ |
| 後は俺がやるからさ、ゆっくり休んでなよ。 結果的にはあんたの思い通りなんだから |
| ごちゃごちゃ……うるせぇ……さっさと殺せよ |
| 了解！ |
|
| へぇ。やっぱり泥被ってたわりにはいい血の色だな。やっぱり最高だよ、あんた |
| 裏……か |
 | …… |
| まだ居たのか…やれやれ、"裏"も狩れってのも命令だしな。 |
| …… |
| にしても、何故ここまで来た？ まさか『狭間』からこっちの世界へ来たわけじゃないだろう？ |
| わからない……誰かが…呼んでるの…… |
| ……なるほどな。 『狭間』からご指名ってわけか。それとも『管理する者』からか？ |
| 知ってるの？……何かを |
| 少なくとも、他のヤツよりはね。 だからお前をここから行かせるわけにはいかねぇな |
| ……敵…… |
| 当たりだ。じゃあ死ね！ |
| あなた……敵じゃない？ |
| まぁな。あんたらとは……そうだな。同属かもしれないな |
| だからか……なんだか、嬉しい |
| あんたらにとって災難ってのは分かってるさ。同情はしないけどね |
| それが……あなたなの？ |
| そうだ。オレはそんなもんさ |
| そう……わかったわ。じゃあ……殺して |
| 嫌だね |
| …… |
| あんたは何も覚えてないんだろ？何も知らないんだろ？ |
| ええ…… |
| それじゃあ面白くねえんだよ。 しっかり嫌らしく生き延びて、その事実を知った時 殺してやるさ |
| …… |
| 勿体ねえんだよ。"本性"も表さない"裏"なんざ殺したって意味がねえから |
| そう……じゃあ…… |
 | 人間……そう、とうとう来てしまったのね |
| あんたが、ガーディアンか。 |
| ……誰だ。お前 |
| イレイシュの遣い……みたいなもんだな |
| イレイシュだと？……また奴か…… |
| そういう顔するなってば。"人類"の危機なんだから |
| ふざけたことを言わないで。もとはと言えばイレイシュのせいじゃない |
| そんなことはどうでもいいさ。さぁそこをどいてくれないかな？ |
| 駄目よ |
| 何でだい？"忘れ物を取りに来ただけじゃないか" |
| ……あの子はもう誰のものでもないわ。唯一なのよ |
| 悪いが、それを決めるのはこっちだぜ |
| そんな……馬鹿な…… |
| なめんじゃねえぜ。オレだってお前らと似たようなもんだからな |
| なに……？ |
| ガーディアンにしちゃ随分と"人間寄り"なんだな。まぁ、おかげで助かったが |
| やめろ……出て行け！ |
| 何も言うなって、あんたのせいじゃねえよ。ただ、間が悪かっただけだ |
| や……めろ…… |
 | ……？ |
| ほぉ……はじめまして、というべきかな？ |
| ……あなたは……誰？ |
| 義者ってとこかな。人類の |
| よく……わからない……でも、イレイシュ……なの？ |
| ああ、あいつから直々に言われてな |
| あ、あれ……なに……この感覚……き、気持ち……悪い…… |
| あ〜、バレたか。なんだ、感覚が読めるのかい？ |
| こ……来ないで……よ……何、これ……嫌だ……！！ |
| 悪いこといわねぇから、おとなしく捕まってくれよ！ |
| う……うぁぁ…… |
| 危ねぇなあ。もう少しで"消す"とこだったぜ にしても……こりゃやっかいだ。封印して持ってくか |
| な……何で…… |
| ん？ああ、なに。単なる御伽噺だよ |
| え……？ |
| 昔むかし、人々を苦しめる魔王がいました 魔王はその力を使って世界を混沌への変えようとしていました ところが、一人の青年により魔王は封印され その後世界は平和を取り戻しました ……そんなところだ |
| そ……んな……わ、わたし…… |
| 消しはしねぇよ。ただ、絶望を永遠に感じるだけさ |
| や……やめ…… |
| ふう……さて、戻るか。 |