| ふん、最初の相手はテメェか |
 | 相手……？国家隊のお出ましとはね…… |
| それだけ非常事態って事だ。……だが気に入らねぇ |
| 何？ |
| テメェのような小娘までも参戦とはな。世も末だぜ |
| 随分な言い草じゃない。貴方こそ、国家隊なら"狭間"に出向くってのが筋じゃないの？ |
| 行くさ。テメェのような無駄な輩を排除してからな |
| 言わせておけば……行くわよ！ |
| だから言っただろう？テメェはこの争いには"邪魔"なんだよ |
| うるさい！大体国家隊が関わってるならどうして民から志願者なんか募るのよ！ |
| ……鈍い奴だな。分かんねぇのか？"選別"だよ。俺はその試験官ってわけだ。 |
| だ、だったら……ぐぁっ！！ |
| ごちゃごちゃうるせえんだよ。しばらく眠ってやがれ |
| …… |
| ったく…… |
| …… |
 | よぉ、あんたか |
| どういうことだ |
| またまた〜。薄々分かってんだろ？要するに"任務は２つ"ってことさ |
| ……テメェ、まさか…… |
| おいおい、そんな怖い顔すんなよ。結局世界が平和になればそれでいいじゃねえか |
| ざけんな。そんな嘘が通ると思うか |
| あ、バレた？いやさすが隊長殿。ま、でもあながち嘘でもねぇだろ？結果的にはさ |
| ……テメェには通らせねぇ。この場でケリをつけてやる |
| へ……さ、さすがだな…… |
| 気に入らねぇな。なんでそんなヘラヘラしてやがる |
| 別に。どっちでもいいからな、あんだが行こうが行くまいが。ま、後は頼んだぜ |
| …… |
| おい、もう勝負はついただろ？それとも何か？"俺を殺すか？" |
| うるせぇ！テメェみたいな殺人鬼と一緒にすんじゃねえよ |
| あれ？何それ、まるであんたは善人みたいな言い草じゃん |
| ……これも民のためだ |
| 間違っちゃあいないよ。ただ、正解でもないね。 |
| …… |
| "誰かの安息のために誰かを壊すことができるか？" "それは守るための行為か？戦うための理由か？" "本当に其の行いに過ちはないのか？" あんたの好きな一節だったな |
| ……黙れ。 |
| 今回の依頼、否定的だったって言うじゃねえか。 何だ？"民"と争うのが嫌だってのか？ 善人面して余裕かましたって何も得られねえってのに。 馬鹿な野郎だな相変わらず |
| 黙れ！ |
| ま、そうやって悩んでろ。どうせ結局は"何かを壊す"んだからな……じゃあな |
| …… |
| まさかこんなとこで会うとはな…… |
 | ……何？ |
| "裏"の分際で何しに来た。 |
| わからない…… |
| …… |
| ……それは何？……殺気？ |
| 分かってんじゃねえか。さっさと来いよ |
| 敵…… |
| ……他の奴らはどこだ。一人じゃねえだろ |
| 何故……それを聞くの？ |
| "裏は排除する"それも、命令だ |
| ……わからない。何故そんなことをする？ |
| テメェらから仕掛けてきた争いだ。忘れたとは言わせねえぞ |
| そう……死ぬ……の？ |
| 当然だ。一匹残らず散らしてやる |
| ……そうか……死ぬ…… ……何故だ……暖かい…… |
 |
| …… っち、最後まで不気味な野郎だぜ |
| おい！そこの！ |
 | え？ |
| 何だお前…… |
| あっ……え、えっと…… |
| 裏か……いや、違うな。さっさと散れ！このクソガキ！ |
| ガ、ガキって言うな！ボクは…ボクはこの先に用があるんだ！ |
| うるせえ。テメェみたいなガキに何ができるってんだ。それとも死にたいのか？ |
| ……絶対行くんだ！確かめるんだ！ |
| ……なら、ここで止めてやる。自分の未熟さを知るんだな |
| こっちだって本気なんだ！負けるかぁ！！ |
| これでわかったか？テメェは役不足なんだよ |
| ……なんで……なんでなんだよ！ |
| ……だいたい、何者だ |
| …… |
| 答えろ。じゃねえと殺す |
| ボクは……わからないよ…… |
| てめぇ…… |
| ホントだよ！知らないんだよ！……何も……知らないんだよ…… |
| …… 行け |
| え？ |
| ここで泣きつかれても邪魔なだけだ。さっさと帰れ |
| ……うん |
| …… |
| てめぇか。 |
 | やはり……来てたんですね |
| 当たり前だろ。テメェと違って気楽じゃないんでな |
| ……隊長、オレは…… |
| うるせぇよ。今ごろ現れやがって何様のつもりだ |
| オレは……オレの信じる道を進んでるだけです！ 例え貴方であろうと、障害になるのなら…… |
| 奇遇だな。オレも同じ考えだ……最も、テメェと違って甘くはないが |
| ……行きます！ |
| ぐぁっ！ |
| さっさと散れよ。ガキが |
| 何故…… |
| 何が起こってるかすらわからねぇくせに足掻くんじゃねえ！ |
| オレは……正しいとか、そういったことをしているんじゃないんです ……許せないんです…… １２年前、あんな惨事を引き起こした"裏"も…… それの原因である"管理する者"も…… どいてください！オレは……どうしても進むんです！ |
| ふざけんな。テメェ一人の感情でどうこうできるとでも思ってんのか ……もう、テメェは関わるな。 俺にすら適わんようではどっちにしろ無理だ |
| くっ……くそ…… |
| ……あばよ |
 | ……誰？こんなところまで来て |
| イリンシュレイからの使者だ……貴様の先にあるものを出せ |
| そう……イレイシュの遣いか。愚かしいわね |
| 待て……テメェ、まさか…… |
| ……わたしを知っているのか。 そう……貴方もあの争いにいたのね |
| 何者だ…… |
| "見護る者"……この世界と、狭間と運命を共にするものよ |
| だったら手出しは無用だな。さっさとそこをどけ |
| 駄目よ……残念だけど、ここを護るのもわたしの"存在" |
| 人の命がかかってんだ…… 悪いが、こっちも手加減はできんぞ |
| 人類らしいわね……その矛盾した感慨は |
| ……行くぞ |
| 何故…… |
| テメェの生死は指令にはねぇからな。命だけは助けてやるが…… 気に入らねえな。もともとこの先の者のせいだろうが。何故かばう |
| 何も知らないのか……イレイシュの遣いが |
| ああ？ |
| 本当にここの"存在"が元凶だと思っているのか？ 本当にそれが"正しいこと"だと思っているのか？ |
| …… |
| ……どのみち、わたしは動けない。貴方を抑制する術がない。貴方の好きな感情に流されることね |
| ……何の真似だ。テメェ |
| もう覚悟はしていた……ずっと前から それが、今、決意に変わっただけのことよ。 例えそれがわたしではなくなろうとも |
| …… ……うるせぇよ |
 | …… |
| …… |
| ……あの人を……祓ったの？ |
| 命令外だが……邪魔だったんでな |
| そう…… |
| 悪いな |
| え？ |
| テメェが目標だ。さっさと死んでくれ |
| どう……して…… |
| 命令だからな…… |
| 嘘だ……そんな…… |
| あいにく論じてる暇はない。テメェのようなバケモンは去って当然だ |
| 違……う…… |
| ……黙れ |