|  | ん?……何だ、テメェは | 
|  | ……貴方が人間側の者? | 
|  | 質問に答えろ | 
|  | ……ガーディアン | 
|  | 何の用だ…… | 
|  | 貴方こそこんなところへ何しに来たの? ……ここから先へは ……絶望しかないのに | 
|  | ……待て……貴様……まさか | 
|  | そうか、お前はあの争いに居たのか…… | 
|  | 今回もテメェが関わってんのか……なら…… | 
|  | 始末……か。丁度良い。わたしもそう思っていた | 
|  | テメェの存在なんぞどうでもいい。さっさと来いよ | 
|  | …… | 
|  | ……なん……だと……? | 
|  | これで良いかしら?さぁ、早く戻りなさい 何も分からないまま死んで満足なんてしないでしょう? | 
|  | なめんな……そう簡単に、放棄できるかよ | 
|  | …… | 
|  | オレ一人じゃどうにもできねぇ訳じゃねぇ だったら……そこまで足掻いてやる | 
|  | そう思うのも構わないわ。ただし…… 全てあなた達が原因だと知ってからなら。 | 
|  | 何……? | 
|  | どうするの?行くの?行かないの? | 
|  | ……退けねぇ……な…… | 
|  | そう……なら | 
|  | !? | 
|  | 
|  | ……愚かしい…… | 
|  | ……また、ここにも…… | 
|  | 誰?あなた | 
|  | 知る必要などない。貴方こそ何をしにきたの? | 
|  | ……一、志願者よ | 
|  | なるほど……ならば退きなさい | 
|  | ということは、貴方も……なのね | 
|  | 違うわ。そんな陳腐な想いなどない | 
|  | 何といわれようと、関係してると言うのなら容赦しないわよ | 
|  | ……全てそれで始まるのか……昔と変わらないな。 | 
|  | 何? | 
|  | 闘争する意義なんて見出すから原因が結果となるのよ。何故わからないのかしら | 
|  | それはわたしのこと?……それとも何? | 
|  | 人間……。その全て……だとしたら? | 
|  | 大口もそこまでくると偉大ね。で、どうするの? | 
|  | このまま進むというのなら、止める | 
|  | なら、止めてみなさい! | 
|  | …… | 
|  | 気絶か?…… | 
|  | …… | 
|  | まぁ、いい……これでいい…… | 
|  | (本当にそうか?) | 
|  | …… | 
|  | (この身体も限界か…… 早く……済ませなければ……) | 
|  | あの子のためにも…… | 
|  | …… | 
|  | ……まだ、いたのか…… | 
|  | アナタ、誰? | 
|  | こちら側の者よ…… | 
|  | そう……アナタも、わたしを殺すの? | 
|  | いいえ……でも、貴方はそれを望んでいるのね | 
|  | ……よく、わからないの…… | 
|  | そう……なるほど、記憶がないのか | 
|  | わたしのことを……知ってるのね | 
|  | 知る必要はないと思うわ。生きるならね | 
|  | その感情も疑うことしかできない……ならば、死すら信念に入れるべきなのか…… | 
|  | ……やめなさい | 
|  | 自らを確認することに死を使うのは、愚かではないと……そう、思うの | 
|  | それは貴方の心が貴方を否定してるからよ。真実は知るべきではない、と | 
|  | もう、わからないの……だから…… | 
|  | ……わかったわ…… | 
|  | ……そうか、はじめからコレを望んでいた? | 
|  | わからないなら……それでも良い……ただ、自分を信じれないのなら還るまで | 
|  | それも正しい形なのね……わかったわ | 
|  | ありがとう… | 
|  | 
|  | 貴方は、還るべきではないのだけれど…… | 
|  | それを望んでいるのなら……それも、正しいのだろう | 
|  | (……) | 
|  | (ミスト、わたしはもう守護者としては あまりにも人間寄りすぎる……) | 
|  | (あの子を救いたいと願うこと自体…… あり得ないことなのだろう……) | 
|  | (でも、わたしは……) | 
|  | (貴方ならわかってくれると思っている) | 
|  | (すまない……) | 
|  | …… | 
|  | ……ここにも居たのか、全く…… | 
|  | お前も、志願者なのか? | 
|  | ……いいえ、ただ……あなた達を護る者でもあるわ | 
|  | 何だと……?誰だ、お前 | 
|  | …… 人間、いえ。こちら側の世界の存在を護る者…… | 
|  | まさか……狭間と何か関係があるのか? | 
|  | ……ええ | 
|  | ……訪ねても、答える気はないんだろうな | 
|  | 知ってどうすると言うの? | 
|  | ……止める | 
|  | 抗う気?馬鹿な……アレは貴方達のせいなのに | 
|  | ……どうやら、それ以上に聞く必要がありそうだな | 
|  | …… | 
|  | くそっ……!! | 
|  | どうやら、ここまでのようね | 
|  | なんだ……その力は……法量がデタラメだ…… | 
|  | わかったでしょう?わたしは"そういう存在"なの | 
|  | あり得ない……人ではないのか? | 
|  | いいえ、人よ……"これ"はね | 
|  | くっ…… | 
|  | ……どうするの? | 
|  | さっきも言ったはずだ……オレは……干渉を、止める | 
|  | 貴方、干渉が何なのか知ってるの? あれを単なる空間融合と思ってるんじゃないの? | 
|  | 何……? | 
|  | あれは……悲鳴よ……この世界の | 
|  | この世界……エリメラのことか? | 
|  | ……いいえ、全ての世界 空間の共有は単なる結果よ 根源はもっと奥深くにあるわ | 
|  | ……何故、知っている | 
|  | ……そういう存在、なの その根源が、貴方達にあるとしたら……どうする? どう動く? | 
|  | …… | 
|  | つまりは、そういうことだ | 
|  | 馬鹿な……そんなことが…… | 
|  | もう一度眼を開けることね。そこに答えはあるわ…… | 
|  | ……嘘だ!そんなことが…… | 
|  | ……埒があかないな。もうわたしは行くわ | 
|  | …… ……ちくしょう | 
|  | ……待ちな | 
|  | ……誰だ? | 
|  | 珍しいな。なんでこんなところにガーディアンがいる? | 
|  | ……貴様…… | 
|  | もうそんな危機なのか?聞いてたのと違うじゃねぇか | 
|  | 貴様は何だ。何を知っている | 
|  | さてね。まぁ真実に近いとこにいる奴だよ | 
|  | ……イレイシュか | 
|  | おお、知ってんのか。あいつも有名になったなぁ | 
|  | ふざけるな!奴のことは忘れたことなどない! | 
|  | へぇ、お前でも怒るんだな。意外だぜ…… | 
|  | イレイシュの使いか、ならば教えてもらおう。奴はどこだ | 
|  | オレに聞くなよ。自分で行きゃいいだろ? | 
|  | イレイシュではない、お前の"捜し物"だ | 
|  | ……あぁ? | 
|  | ……なるほど、そこまでは知らないか | 
|  | ……気に入らねぇな。何隠してんだ | 
|  | 答える気はない。受け入れる気も、ないのだろう? | 
|  | それもお見通しか。これだからバケモンはやり辛ぇぜ | 
|  | ……来い | 
|  | お前は……消しておいたほうが良さそうだな | 
|  | へ……どう、だろうな…… | 
|  | あるいはここで消えていた方が楽なのかもしれない さぁ、お前はどうする? | 
|  | 悪ぃが、オレは……生きさせて貰うぜ | 
|  | そうか……わかった…… | 
|  | もう、二度とテメェのような奴には会いたくねぇと思ってたが…… 皮肉なもんだな…… | 
|  | なるほど、わたしの"前"を知ってるのか……ならば納得がいく だが、その道を進むのであれば この先でも何度交わすだろうな | 
|  | 面倒なことだぜ……ったく | 
|  | お前が望んだ道なんだろう?生きてみなさい | 
|  | へへ……当然だ…… んなとこで死ねるか…… | 
|  | …… | 
|  | しかし……殺さねぇのか……随分柔らかくなったもんだな | 
|  | ……自分でも驚いているわ | 
|  | ???(……) | 
|  | ……ん?これは…… | 
|  | あの子が暴れてる?いえ、泣いてる? ……もう、限界なのね…… 確かに、彼女では不完全だったのかもしれない…… | 
|  | (しかし……何故今頃) | 
|  | 随分近い振動流圧だったな……つまり……原因は場所…… | 
|  | (近くにいるのか……奴が) | 
|  | なんだ……今の……あ、頭痛い…… | 
|  | 何!? | 
|  | え?あ……えと…… | 
|  | そうか……やはりこちら側に居たのか…… | 
|  | な、何ですか?お姉さん…… | 
|  | しかし解せない……イレイシュの使いか?それとも逃げてきたのか? | 
|  | 何、何のこと?あの…… | 
|  | ……うかつな…… ここまで堕ちる程だったのか?イレイシュ | 
|  | お姉さん、一体何?ボクのこと……知ってるの!? | 
|  | 意外だな。お前、自らここに来たのか…… | 
|  | 質問してるのはこっちだよ!ボクのこと知ってるの!? | 
|  | ……黙れ | 
|  | ……ぁ……ぅ | 
|  | だが、これは好機か……悪いがお前を捕らえさせて貰う | 
|  | そ、そんな……ちょ、ちょっと待って!ボクは"裏"なんかじゃないよ! | 
|  | お前のためでもある。いくぞ! | 
|  | 何故抵抗するの?其処へ自ら向かっていたのだろう? | 
|  | う……うあぁ…… | 
|  | まぁ……いい。早速だが法輪を固化させて貰う | 
|  | な……何……を…… | 
|  | お前を源(みなもと)へと還すだけだ。おとなしくしろ | 
|  | う……ぅあああああああああ!!!!! | 
|  | な!? | 
|  | い、痛い!や……や、め……イヤアアアァァァ!! | 
|  | 馬鹿な……この反応は…… | 
|  | あ……ぁぐ……グ……が……あ…… | 
|  | まさか……あり得ない、まだ"殻"なのか? | 
|  | ……… | 
|  | 
|  | ……なんてことだ……"殻"が"想い"を欲するなんて…… | 
|  | まだ早かったのか……失念だったな…… | 
|  | …… | 
|  | (もう、残るは一つしかないか……) | 
|  | …… | 
|  | あ……! | 
|  | …… | 
|  | ……どう、したんですか? | 
|  | 貴方を、助けに来たわ 本当はもっと早く来たかったのだけれど 少し、人間に頼ってしまった | 
|  | ごめんなさい | 
|  | ……ルヴェラが、いたんですか? | 
|  | 正確には"似たもの"が、居たわ | 
|  | どうして……どうしてなんですか? 貴方はこの子のことを…… | 
|  | もちろん、わたしのことを放棄したわけではない しかし……貴方は消せさせない | 
|  | その考えは……間違ってます…… | 
|  | わたしもそう想う…… だからこそ、ここへ来たの | 
|  | わたしは……貴方には勝てません だから…… | 
|  | それでもその力は貴方のものよ 其れがどんなものか、知らないわけじゃないでしょ? | 
|  | 嫌です!貴方には使いたくない!! | 
|  | ……ありがとう でも、それはこの子を否定することになる | 
|  | !! | 
|  | 時間がない……行かせてもらうわよ | 
|  | そんな……そんなのって…… 嫌です!やめてください!! | 
|  | …… | 
|  | 辛い想いを……させてしまったわね | 
|  | ……いいんです…… | 
|  | ありがとう……もう、いいのよ | 
|  | わたしのことは…… よかったのに…… | 
|  | 本当にそう想ってるなら…… 今、貴方はここには居ないわ | 
|  | で、でも!!…… | 
|  | わかってる……この子の事を想ってたのも本当…… | 
|  | …… ……ごめん……なさい…… | 
|  | …… | 
|  | 消えたく……なかったんです…… でも、どうしたらいいのか…… | 
|  | あなたは優しすぎる…… それだけだったのよ | 
|  | ……あり……がとう…… | 
|  | …… そう、それでいいの…… 還れないのなら…… 一つになれないのなら…… 貴方には消える存在が必要…… | 
|  | だから、貴方を生命にする…… わたしは、もう見護る者にはならないわ…… あなたと……全てを…… | 
|  | (ミスト……貴方も、そう想えれば……) |