|  | ……どうしたの?急に。早くもどりなさい | 
|  | ……嫌……です | 
|  | 何をする気なの? | 
|  | ……言えません…… | 
|  | 悪いけど……ここは貴方の来ていい場所ではないわ。わかるでしょ? | 
|  | ……わかってます……けど……お願いです!通してください! | 
|  | やめなさい…… | 
|  | ……わたしを……取り戻したいんです! | 
|  | そういうことならば、止めるまでよ | 
|  | ……それも、承知です | 
|  | ……くっ | 
|  | ごめんなさい……でも、貴方もわかっていた筈です | 
|  | ええ、貴方を封じることは無理でしょうけど……それでも……わたしは"わたし"だから…… | 
|  | ……そう、ですよね……ごめんなさい…… | 
|  | 最も、それを知った上での決意だったのでしょ?謝られるだけ迷惑よ | 
|  | そ、そんな……ことは…… | 
|  | …… | 
|  | ……もう、行きますね…… | 
|  | あ…… | 
|  | な!?テメェ!! | 
|  | あ、え…… | 
|  | まさか自らお出ましとはな。そこまで終わってんのか? | 
|  | その……想い……待ってください!わたしは…… わたしは……その…… | 
|  | 何のつもりか知らねぇが、行くぞ | 
|  | 違うんです!ま、待って!! | 
|  | 世界を終わらせるとか……そんなつもりはないんです。わかってください…… | 
|  | うるせぇ……テメェのせいだろうが!! | 
|  | 違います!……でも……確かに、あの子はわたしのせいで…… | 
|  | 何言ってやがる……ふざけるのもいい加減にしろ | 
|  | あなたは……どうしてそう想うんですか? | 
|  | テメェが元凶だからだ | 
|  | ……どうして、嘘をつくんですか? | 
|  | …… | 
|  | 争いが嫌なのは分かります……でも、それ以上の何かが……あるんですね | 
|  | 黙れ…… | 
|  | 昔の争いで……何が、あったんですか? | 
|  | 黙れ! | 
|  | !! | 
|  | ……止めるだけだ……あの頃のようにはさせねぇ…… | 
|  | ……ごめんなさい…… | 
|  | 呼んでる……こっちから? | 
|  | !! | 
|  | あなたは……? | 
|  | ……単なる志願者だ……お前こそ、誰なんだ | 
|  | ……わたしは…… わたしは……貴方の……敵? | 
|  | 何!? | 
|  | あなたは……何故そんなに憎んでいるの? | 
|  | ……何の話だ | 
|  | あなたの両親が……死んだの? | 
|  | …… | 
|  | あの……干渉のせい? | 
|  | それ以上言うな……子供だろうと容赦しないぞ | 
|  | ……ごめんなさい…… | 
|  | まさか……お前、何か関係しているのか? あるいは……お前が管理する者か? | 
|  | …… | 
|  | ……なるほどな…… | 
|  | あの……あなたの想いもわかります…… でも、お願いです。先に行かせてください | 
|  | どこに行く気だ……逃げるのか | 
|  | そんなことは…… | 
|  | オレも伊達で来てるわけじゃない。何らかの関係があるだけで十分だ 行くぞ | 
|  | あ……ぁ…… | 
|  | ぐぅ……!! | 
|  | ごめんなさい……本当に…… | 
|  | お前……本当に何なんだ…… | 
|  | わたしは……造られたんです……何らかの想いと共に…… 理由はわかりません……でも…… そうなる運命だった…… | 
|  | …… | 
|  | 出てきては……いけないと言われました……でも、どうしても…… ごめんなさい…… | 
|  | ……ふざけるな…… | 
|  | ふざけてなんかいません…… わたしは……わたしは…… | 
|  | お前はどうなんだ? | 
|  | …え? | 
|  | 確かにお前は他とは違う……だが、今ここにこうして居るのは お前の意思じゃないのか? | 
|  | わ、わたし…… | 
|  | どんな理由かは知らないが……そこまで想っているなら何かのせいにするな 自分の意思で語れ | 
|  | …… | 
|  | 正直、お前を逃がすのはオレ自身納得していない あの干渉について関係してる可能性もあるからな…… | 
|  | ……あれは……わたしのせいなんです…… | 
|  | !! | 
|  | でも……それでも、あの子を救いたい…… だから出てきたんです | 
|  | お前が元凶……? | 
|  | ……ごめん……なさい…… | 
|  | 待て!! ……何だと…… | 
|  | あの人は……もう、来ない…… | 
|  | (何故、あそこまで苦しんでたのだろう 必死で自分を戒めてる……) | 
|  | わたしは……一体……? この心は……あの人の中まで…… | 
|  | (駄目……これ以上考えちゃ…) | 
|  | 待ちなさい!! | 
|  | !? | 
|  | やっと追いついたわ……貴方ね、"干渉"に関係ある者って | 
|  | …… | 
|  | 答えない……ってことは"当たり"って事ね | 
|  | さっきの人……からですか? | 
|  | さあね。とにかく貴方の知ってる事、吐いてもらうわよ | 
|  | わたしは……まだ、何も知らない…… お姉さんの答えも……知らないよ…… | 
|  | それはこっちが決める事!!行くわよ! | 
|  | 違う……違うよ! | 
|  | く……くそっ!! | 
|  | わたしは……答えなんか知らない…… | 
|  | 何を…… | 
|  | お姉さん……答えを求めてるんでしょ?それは…わたしじゃないよ…… | 
|  | ど、どういう意味よ!わたしは志願者として…… | 
|  | 違うよ!……お姉さん……それは、お姉さんの心じゃない…… | 
|  | なっ! | 
|  | 本当は行きたくないのに……どうして行こうとするの? | 
|  | 何を……馬鹿な…… | 
|  | 行こうとしてるんじゃなくて……行かないといけないの? | 
|  | (……) | 
|  | ……もう、やめようよ…… | 
|  | …… やめられないわよ……やめられるわけないじゃない! わたしは進むのよ! 例えそれが正しくなくても意義はあるわ! | 
|  | ……それが……心なんだね…… | 
|  | 止まれない理由なんて……それでいいの…… | 
|  | ……ありがとう…… | 
|  | …… | 
|  | (どうして……こんなこと ……あんな子に……!!) | 
|  | よう…… | 
|  | ……な、何ですか? | 
|  | ああ、初めまして、か。イレイシュの使いだ | 
|  | イレイシュが……いるの? | 
|  | 今はいねぇよ。ここに来ることもない | 
|  | ……な、何……これ……この感覚……こ、怖いよ…… | 
|  | ……それがイレイシュの答えだ……わかるよな? | 
|  | う、嘘……だ……こんな……こんな感覚…… わかんないよ……!! | 
|  | 否定すんじゃねぇよ。お前も同罪なんだぜ? | 
|  | そん……な……わたしは……イレイ……シュを…… | 
|  | 楽しませてくれよ?もう、お前だけの事態じゃねぇんだからな | 
|  | いや……イヤ……イヤアアアァァァ!!! | 
|  | あり得ねぇ…… | 
|  | はぁ……はぁ……はぁ…… | 
|  | どうなってやがる……テメェ、まさか木偶か? | 
|  | え……? | 
|  | はは……はははははは!!こいつぁいいや!木偶か! はははははは!! | 
|  | な……何……? | 
|  | もう用はねぇよ。こうなりゃテメェも"失敗作"ってわけだからなぁ! | 
|  | ど、どういうこと……ですか? | 
|  | さぁてな。まぁ、どのみちもう長くはねぇだろ とっとと自壊しろよ | 
|  | ……まだ、消えません……だからこそ出てきたんです…… | 
|  | なら、勝手にしな。止めねぇさ | 
|  | …… | 
|  | ……あ…… | 
|  | …… | 
|  | こっちに……居たの | 
|  | …… | 
|  | でも、どうして? | 
|  | わからない……自分ですらも | 
|  | ……あの子に、影響されたんだね ごめんなさい…… | 
|  | あなた、わたしを知ってるの? | 
|  | ……うん | 
|  | 聞かせて…… | 
|  | 嫌だよ……貴方を、非道い目に遭わせたくない | 
|  | どう生きるかはわたしが決める。 だからこそ、教えてほしい…… | 
|  | ……わたしには……言えないよ…… | 
|  | どうしても……? | 
|  | ……!!ま、待って! そんな……わたし、敵じゃない! | 
|  | 心まで読めるのか……厄介だな…… | 
|  | 駄目!待って……お願いだから!! | 
|  | …… | 
|  | ご、ごめんなさい…… | 
|  | …… | 
|  | 大丈夫……? | 
|  | どう……だろうな…… | 
|  | もう、いい……? | 
|  | 足掻いても答える気はないのだろう?ならば他の道を探すまで | 
|  | ごめんなさい……本当に、知らない方が…… | 
|  | 自分すら知らないの……わからないから……存在を求める | 
|  | うん…… | 
|  | 多少なりとも知識は得た。それで、生きるには十分だが、 やはり否定された存在は大きい。 ……そこは、取り戻すつもり…… | 
|  | ……わかった…… | 
|  | ……じゃあ | 
|  | ……ごめんなさい……あなたは…… あなたは……もう…… | 
|  | (……) | 
|  | な、何? | 
|  | (この感覚……あの子?) | 
|  | どうしたの?……怯えてる? | 
|  | (……何があったの?) | 
|  | それとも……何か、あるの? | 
|  | (……) | 
|  | …… | 
|  | な、なんだコレ……頭が痛い…… | 
|  | !! | 
|  | あ、あれ……君、誰? | 
|  | お姉ちゃん……お姉ちゃん!!良かった…… | 
|  | え……え?な、何なの? | 
|  | ……お姉ちゃん? | 
|  | え、ぼ、ボク?ボクが……君の? | 
|  | ……そんな……覚えてないの? | 
|  | ちょっと待って、何のこと……ていうか、君、誰? | 
|  | ……そんな……そんなことって…… ずっと……探してたのに…… そんなのってないよ…… | 
|  | どうして!ねぇ!どうして…… なんで"無い"の!?お姉ちゃん!! | 
|  | な、何だよ急に!一人で急に納得して!!何のことだかさっぱり…… もしかして……ボクのこと知ってるの?そうなの? | 
|  | ……非道い……これじゃああの子が…… 駄目……もう、時間がない…… | 
|  | だから変なこと言わないでよ! ボクのこと知ってるの!?知らないの!? | 
|  | ……ごめん……お姉ちゃん | 
|  | え? | 
|  | "無く"ったって良い……もう一度、一緒になれるなら…… だから……少し、少しだけ…… | 
|  | え、な……ちょ、ちょっと!? | 
|  | ごめん………なさい…… | 
|  | ……う……ぁぁ…… | 
|  | 本当はもっと……真実を急めたかったんだけど…… あの子が持たない…… | 
|  | ……ぅ…… | 
|  | 楽にして……大丈夫。怖がることなんてないんだよ? 元に戻るだけだから…… | 
|  | さぁ……一緒に……なろう? | 
|  | …… ……駄目 | 
|  | え? | 
|  | ……わタし……マダ、殻ダかラ…… | 
|  | ……お姉ちゃん? | 
|  | !! | 
|  | ……存在デ……居タイ | 
|  | ま、待って!お姉ちゃん! 駄目……それは…… | 
|  | マダ……我々だト思っテいる…… マダ……想イは…アる…… お前ヲ…融合しテ…… わタしを…存在……させ…… | 
|  | 違う!違うよ!一緒になるんだよ!わたしだけ消さないで! | 
|  | …… | 
|  | 痛ッ!そこは……そこは駄目ぇ!……ちが…う……こ、こんなの…… | 
|  | るヴェら……の、ソンザイ……を……返せ…… | 
|  | ……お……姉……ちゃん…… | 
|  | …… ……スベテ……ヲ……ソンザイサセル…… ……ワタシヲ……カエセ…… | 
|  | ……そ…んな…… ……ぁぁぁぁあああああああ!!! |